習志野の千葉県民司法書士事務所

債務整理 千葉県習志野市自己破産 千葉県習志野市

個人民事再生@

☆再生手続開始


(1)はじめに

 激増している個人破産は、債権者に分配する資産を持たない個人が免責(債務の弁済の免除)を受けることを目的として申し立てる自己破産事件がそのほとんどを占めています。しかし、保証人に迷惑をかけたくない人、住宅ローンを約定どおりに支払えないが住宅を手放したくない人、そして、支払不能になっていないが約束どおりの支払ができない人等にとっては、この自己破産の申立ては利用できないでいました。このような人たちに簡易・迅速な手続で、破産することなく経済生活の再生を図ることを目的として立法されたのが「個人再生手続」です。

民事再生手続開始の申立原因は、「債務者に破産原因たる事実の生ずるおそれがあるとき」(客観的に近い将来、支払不能となる蓋然性が高い)、事業者であれば、「事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」(債務者が弁済期にある債務を弁済しようとすると、債務者の事業の継続に重大な支障が生ずることが必然的である)という原因が申立をする際必要となります。

(2)小規模個人再生に関する特則

将来において、継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり、かつ再生債権の総額が3,000万円を超えない個人債務者が利用の要件となります。
具体的にどのような方が利用できるのか。
・ラーメン屋さん、喫茶店、パン屋さん、八百屋さん等小規模な個人事業者
・農業者、漁業者等
・年金生活者(生活保護者は不可)
・現在失業中だが、再生計画提出までは就職が内定している

再生計画で定める弁済期は、再生計画認可の決定確定の日から原則3年間でなければならないが、特別の事情があれば5年まで伸長することが可能である。
再生計画に基づく計画弁済総額は次の金額を下回ってはならない。
 基準債権の総額が
  100万円未満の場合……その全額
  100万円以上500万円未満…100万円
  500万円以上1,500万円未満…基準債権額の5分の1
  1,500万円以上……300万円
 文章で表現すると、基準債権の総額の5分の1または100万円のいずれか多い額を下回ってはならないが、基準債権の総額が100万円を下回っているときはその同額を、基準債権総額の5分の1が300万円を超えるときは300万円を下回ってはならないということです。

 再生計画案の可決要件は、再生計画に同意しない旨を書面で回答した議決権者が議決権者総数の半数に満ず、かつその議決権の数が議決権者の議決権の総額の2分の1を超えないことが必要です。(消極的同意)
 債権者数と債権額の双方の要件を満たさなくてはなりませんので、1人でも2分の1を超える大口債権者がいれば事前に事情を説明し、その内諾を受けておくほうがよい。
再生計画認可の決定確定により再生手続きが終結するが、やむを得ない事由により再生計画を遂行するのが著しく困難になった場合は、再生計画で定められた最終期限から2年を超えない範囲でその期間を延長するよう再生計画変更の申立をすることができる。

 それによっても再生計画の遂行が不可能となる場合、ハードシップ免責という手当てがなされている。
この申立は以下の要件を全て満たさなければならない。
 @再生債務者がその責めに帰することのできない事由により、再生計画を遂行するのが極めて困難となった。
 A一般的基準により変更された後の各基準債権に対し、その4分の3以上の弁済を終了している。
 B免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものではない。
 C再生計画の変更をすることが極めて困難である。
この手続きは後ほど述べる住宅資金特別条項を定めた再生債務者も申し立てることができるが、免責決定を得た場合でも抵当権者等には影響がないため、最終的には抵当権等の実行により、自宅を手放さなくてはならないことになるので注意が必要です。

(3)給与所得者等再生に関する特則

 上記の小規模個人再生の手続きが多く準用されているが、異なる点は次のとおりです。
 利用できる債務者は、「給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みのあるものであって、かつその額の変動の幅が小さいと見込まれる者」である。
給与所得者が主な対象者となることに違いはありませんが、全ての給与所得者が対象として申し立てられるものではなく、申立2年以内の年収が概ね年収ベースで5分の1以上の収入の変動があってはならないといえるでしょう。
 
 また過去10年内に免責決定等を得ていたり、以下に説明する可処分所得に基づく最低弁済額要件があったりと、この手続を利用できない場合があります。

 債権者の意見を聞いて裁判所は再生計画認可の決定をしますが、小規模個人再生と異なり、債権者の同意は必要ありません。
給与所得者等再生の一つのポイントです。
 
 次に債権者の同意は不要なのですが、その代わり計画弁済総額が債務の総額のみを考慮する小規模個人再生と異なり、給与所得者等再生は再生計画案の提出前2年間の再生債務者の収入から、これに対する所得税・住民税・社会保険料に相当する金額を控除した額を2で除した金額から、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用の額を控除した額に2を乗じた額と、小規模個人再生の要件を比較して、多い額を計画弁済総額としなければなりません。
大雑把にいうと、手取り収入から最低生活費(政令で定められています。)を控除した2年分の金額を再生計画のなかで定めるということです。

例として、
 年収     350万円(所得税・住民税・社会保険料控除後)
 最低生活費  320万円(都道府県各地区により異なります。)(2年分)
 債務総額   1,000万円

『小規模個人再生を適用して申し立てる場合』

 債務総額が1,000万円なので、その5分の1の″200万円″を原則3年で返済していくということになります。

『給与所得者等再生の場合』

350万円×2−320万円=380万円
200万円<380万円となり、この手続きで再生計画を立てる場合″380万円″を原則3年で返済していくことになる。

給与所得者の場合、小規模個人再生か給与所得者等再生かの選択が可能でありますが、上記のようにどちらの手続きを利用するかにより毎月の計画返済額が異なりますので、両制度の特徴をよく知り返済計画が認可され、無事遂行できるようシュミレーションをおこなってみてください。